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2020-11-17

(備忘録)(図解)6 気筒ガソリンエンジンS55B30T0


6 気筒ガソリンエンジンS55B30T0

エンジン S55 は、エンジン S65 の後続モデルです。 エンジン S55 は、ビー・エム・ダブリュー株式会社のエンジン N55 がベースに なっています。M 社のテクニカル アップデートおよび技術変更により、レース参戦可能なエンジンが完成しました。 最⾼出⼒ 317 kW/431 PS のエンジンは、ターボ チャージャー (2 基のモノ スクロール ターボ チャージャー) を備え、低回転域で優れ たパフォーマンスを発揮します。最⼤トルクは 400 Nm から 550 Nm に約 37 % 向上され、またほぼ全回転域にわたってトルクが向上 しています。またエンジンの最⾼回転数は 7500 rpm です。 さらに BMW エフィシェント・ダイナミクスによる燃費対策が施され、⼆酸化炭素排出量 をおよそ 28 % 〜 26 % 削減することがで きます。 エンジン S55 では、エンジン N55 の 75 % のエンジン部品を適⽤することができます。残り 25 % のエンジン部品は、新開発された 部品、またはエンジン N55 の共通部品です。

以下は、エンジン S55B30T0 と⽐較したエンジン S65B40O0 のフルロード ダイアグラムです。

機能説明

新開発モデルは、軽量構造および安定性を重視した設計となっています。例えば、カーボン製ワンピース プロペラ シャフトが採⽤さ れています。 エンジンは完全にノン スロットル化されています。エンジンの上部で⾒ることができるインター クーラーは、コンプレッサーから吸 引システムの直線上に配置されています。またエキゾースト側の経路も直線に設置され、最⼤限にノンスロットル化されました。これ により、⾼いレベルのパフォーマンスと低燃費を実現することができました。 以下にエンジン専⽤に適合されたコンポーネント システムについて記載します。

エア供給システム

  • インテーク エア システムは、エンジン S55 ⽤にまったく新しく設計されました
  • 新しいエア ガイドからインテーク マフラーまで
  • ターボ チャージャー2基の採⽤による新しいクリーン エア ガイド
  • クランクケース ベンチレーション
  • 間接的チャージ エア冷却
  • スラスト バイパス バルブの廃⽌
  • タンク排気システムの適合

  • 1 ホット フィルム エア マス メ ーター、シリンダー 4 〜 6
  • 2 充填エア パイプ、シリンダー 1 〜 3
  • 3 充填エア パイプ、シリンダー 4 〜 6
  • 4 インテークエアコレクター
  • 5 間接的インター クーラー
  • 6 吸気温度チャージ圧センサー
  • 7 チャージ エアパイプ
  • 8 インテーク マフラー、シリン ダー 1 〜 3
  • 9 エア ダクト、シリンダー1 〜 3
  • 10 ホット フィルム エア マス メ ーター、シリンダー 1 〜 3
  • 11 クランクケース ベンチレーシ ョンの接続
  • 12 エア ダクト、シリンダー 4 〜 6
  • 13 インテーク マフラー、シリン ダー 4 〜 6

以下の図には、吸引されたエアのさまざまな状態を⽰します。

  • A 外気
  • B 浄化エア
  • C 加熱されたチャージ エア
  • D 冷却されたチャージ エア
  • 1 エア スポイト、シリンダー 4 〜 6
  • 2 エア ダクト、シリンダー 4 〜 6
  • 3 インテーク マフラー、シリン ダー 4 〜 6
  • 4 インテーク マフラー カバー、 シリンダー 4 〜 6
  • 5 ホット フィルム エア マス メ ーター、シリンダー 4 〜 6
  • 6 充填エア パイプ、シリンダー 1 〜 3
  • 7 充填エア パイプ、シリンダー 4 〜 6
  • 8 間接的インター クーラー
  • 9 吸気温度チャージ圧センサー
  • 10 エア スポイト、シリンダー 1 〜 3
  • 11 エア ダクト、シリンダー 1 〜 3
  • 12 インテーク マフラー、シリン ダー 1 〜 3
  • 13 インテーク マフラー カバー、 シリンダー 1 〜 3
  • 14 ホット フィルム エア マス メ ーター、シリンダー 1 〜 3
  • 15 クランクケース ベンチレーシ ョンの接続
  • 16 インテークエアコレクター
  • 17 ターボ チャージャー、 シリン ダー 4 〜 6
  • 18 ターボ チャージャー、 シリン ダー 1 〜 3

ターボ チャージャー付きエグゾースト マニフォールド

各シリンダー バンクに1つのエグゾースト マニフォールドが使⽤されます。 3つの排気ガスの流れを1つの排気ガスの流れに集約することで、ターボチャージャー タービンの最適な流れが形成されます。エキゾ ースト マニホールドは、ターボ チャージャーのタービン ハウジングと⼀体鋳造されています。

  • 1 ターボ チャージャー、シリン ダー 4 〜 6
  • 2 電動ウェスト ゲート バルブ、 シリンダー 4 〜 6
  • 3 5 ピン コネクター
  • 4 ターボ チャージャー、シリン ダー 1 〜 3
  • 5 電動ウェスト ゲート バルブ、 シリンダー 4 〜 6
  • 6 5 ピン コネクター

電動ウェスト ゲート バルブは、排ガス基準 EURO 6 を満たすために使⽤されます。 空気圧式ウェスト ゲート バルブと⽐較した場合の電動ウェスト ゲート バルブの主なメリット: ⾼い調整速度 精密なチャージ圧コントロール ⾼い閉鎖⼒、これにより漏れが少なく、チャージ圧が迅速に⽣成されます ウェスト ゲート バルブは完全に開くことができます。そのため、冷えたキャタライザーを迅速に加熱することができます。これ により、低い排気ガス エミッションおよび燃料節約を実現することができます。

エキゾーストシステム

エキゾーストシステムは、わずかな排気ガス背圧のみが⽣成されるよう設計されています。エキゾーストシステムの絞りを開放するこ とで、電荷交換の効率がさらに最適化されます。 エキゾースト システムには、デュアル ブランチが採⽤されています。 エンジンに隣接する2つのキャタライザーのほか、⾞両ボディ 床下にはさらに2つのキャタライザーがデュアル センター マフラーとリア マフラー各1つと⼀緒に取り付けられています。

空気圧式エキゾースト フラップは、電動エキゾースト フラップに置き換えられました。 そのため、負圧システムを簡素化し、シリン ダー ヘッド カバーのバキューム リザーバーを廃⽌することができました。 電動エキゾースト フラップは、デジタル モーター エレクトロニクス (DME) からパルス幅変調信号で制御されます。

エキゾースト フラップ ポジションの演算に使⽤される機能上の⼊⼒値:

  • ⾛⾏速度
  • アクセル ペダル⾓度
  • エンジン⽔温
  • トランスミッションのバリエーション

バイパス パイプにより、フラップ ポジションに関わりなく両側のエンド パイプ ペアは常に貫流されます。 このため両側のエンド パ イプ ペアでそれぞれ異なる⿊い着⾊が⽣じることがありません。 電動エキゾースト フラップ のほか、アクティブ サウンドデザイン (ASD) が使⽤されています。

  • 1 右エキゾースト フラップ
  • 2 2 極コネクター接続
  • 3 リア マフラー
  • 4 2 極コネクター接続
  • 5 左電動エキゾースト フラップ

燃料噴射装置付き⾼圧燃料供給システム

S55 では、⾼圧インジェクション システムが使⽤されます。⾼精度直接燃料噴射装置に対し、6⽳ノズル付きソレノイド バルブ イン ジェクターが使⽤されます。 また2台仕様の⾼圧ポンプが使⽤されます。このポンプは、⾼い燃料残量をレールに供給し、要求される出⼒データおよび回転数を満 たすため必要となります。また、排ガス基準 Euro 6 を満たすことができる⾼圧インジェクター バルブが新しく採⽤されました。

  • 1 3 極コネクター接続
  • 2 レール プレッシャー センサー
  • 3 レール
  • 4 2 極コネクター接続
  • 5 2 極コネクター接続
  • 6 ⾼圧ポンプ 2
  • 7 フロー コントロール バルブ 2
  • 8 ⾼圧ポンプ
  • 9 フロー コントロール バルブ
  • 10 フューエル プレッシャー セン サー
  • 11 2 極コネクター接続

⾼圧ポンプは、バキューム ポンプのケースにねじ⽌めされています。 各ドライブ トレーンの3連カムの開度は、それぞれ 120 度です。2台の⾼圧ポンプを稼動させる 2 つのドライブ カム ペアは、60 度ご とに供給を⾏うよう配置されています。 2台の⾼圧ポンプは平⾏に取り付けられており、燃料ラインが専⽤に配置されています。回転数約 3000 rpm 以下では1台の⾼圧ポン プのみが制御されます。回転数約 3000 rpm 以上では両⾼圧ポンプがオンになります。これは⾼い回転数の際に燃料で⾼い処理量を得 るために必要となります。

  • 1 バキューム ポンプ
  • 2 ブレーキ ブースター チェック バルブ
  • 3 ⾼圧ライン接続部
  • 4 フロー コントロール バルブ
  • 5 ⾼圧ライン接続部
  • 6 燃料フィード ライン
  • 7 フロー コントロール バルブ
  • 8 フューエル プレッシャー セン サー
  • 9 ポジション センサー

燃料は、燃料タンクから電動燃料ポンプによって予備圧 5 bar で⾼圧ポンプのフィード ラインに供給されます。 予備圧はフューエル プレッシャー センサーでモニターされます。燃料は、必要な分量が的確に電動燃料ポンプによって供給されます。 フューエル プレッシャー センサーが故障した際、ターミナル 15 がオンであると、電動フューエル ポンプは吐出量 100 % で継続して 作動されます。 位置センサーは、バキューム ポンプのドライブにねじ⽌めされたパルス ホィールを使って⾼圧ポンプの位置を把握します。その結果 に基づいて、エンジン コントロールがポンプ回転数を算出します。回転数検知は⾼圧ポンプの流量調整に必要です。 ⾼圧ポンプ位置センサーは原理上カムシャフト センサーと同様に機能します。 DME に伝達されるセンサーのアウトプット シグナルは矩形波信号です。その際、電気的なハイ レベルが⽋損部に、また電気的なロー レベルが⻭部に相当します。 ソレノイド バルブ式インジェクター 注意事項! 新しいソレノイド バルブ インジェクターは、インジェクター噴出量調整が不要です。 デジタル モーター エレクトロニクス (DME) は、調整値を⾃動的に学習します。ソノレイド バルブ インジェクターの上に調整 値の印字はありません。

DME コントロール ユニットは、消費電流および電圧パルスから各ソレノイド バルブ インジェクターの開時間を精密に検知します。 そのため、デジタル エンジン エレクトロニクスは、すべてのソレノイド バルブ インジェクターを等しい規定噴射量に調整すること ができます。 全シリンダーで均等な規定噴射量を確保することで (特にアイドリング時など少量の場合) 、排気ガス アフター トリートメントの効率 的な作動が常に確保されます。これにより排気ガス値を低減し、適⽤される排ガス基準 (EURO 6) を満たすことができます。

  • 1 ⾼圧接続
  • 2 電気接続
  • 3 ソレノイド バルブ インジェク ター6⽳ノズル
  • 4 噴射⽅式 EURO 5
  • 5 噴射⽅式 EURO 6

このソレノイド バルブ インジェクターは、排ガス基準 EURO 6 の要件を満たしています。 これには異なる直径を有するレーザー加⼯されたボアが採⽤されています。そのため、エキゾースト⽅向の両噴射流の燃料量がそれぞ れ 20 % 低減され、残りの噴射量はそれぞれ 10 % 上昇されます。

冷却装置

エンジン S55 の冷却システムは以下のコンポーネントで構成されています:

  • ラジエター
  • チャージ エア冷却
  • エンジン オイル クーラー
  • ダブル クラッチ トランスミッション オイル クーラー

またインダイレクト インター クーラーと呼ばれるクーラーが採⽤されています。インダイレクト インター クーラーでは、チャージ エアが冷媒回路により低温に冷却されます。また低温冷媒回路は、⾛⾏⾵で冷却されている2台のエア クーラント熱交換器で冷却されます。

  • 1 インダイレクト インター クー ラー⽤低温ラジエーター
  • 2 インダイレクト インター クー ラー⽤外付け低温クーラー
  • 3 エンジン ラジエーター
  • 4 電動クーラント ポンプ
  • 5 クーラント⽤エクスパンショ ン タンク
  • 6 特性マップ制御式サーモスタ ット
  • 7 メカニカル クーラント ポンプ
  • 8 電動クーラント ポンプ
  • 9 ターボ チャージャー
  • 10 ヒーター ラジエター
  • 11 電動クーラント ポンプ
  • 12 クーラント温度センサー
  • 13 間接的インター クーラー
  • 14 クーラント⽤エクスパンショ ン タンク
  • 15 電動ファン
  • 16 外付けエンジン ラジエーター

 

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