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2023-05-02

(Be prepsared.)BMW車をドナドナするときの注意点

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昨日、会社の近くでドナドナされる赤いG20を見かけました。故障原因は分かりませんが、少し時間があったので、その作業を眺めていました。電動ウインチで強引に引き摺る様にローダーの荷台へ揚げていましたが、、、。


故障の際にはオートマチック トランスミッションのパーキング ロックを緊急解除することができます。その手順はトランスミッションと車両によって異なります。
トランスミッション緊急ロック解除は、トランスミッションに応じて電子式または機械式で実行可能です。

1. 電子式トランスミッション エマージェンシー解除

電子式トランスミッション エマージェンシー解除は車内から行います。これは、スターターは回るがエンジンは始動しないという場合にのみ可能です。

駆動軸での牽引は認可されていません。時間と速度を制限した牽引は、技術的にはトランスミッションを損傷しません。しかし、電子式トランスミッション エマージェンシー解除では、パーキング ロックの継続的なロック解除を保証できません。駆動軸で牽引を行っているときに突然パーキング ロックが作動すると、車両の損傷や重大な事故に至る可能性があります。

以下の条件のときは、電子的なトランスミッション緊急ロック解除が妨げられるか、困難になることがあります。

  • パワートレインの捻じれ:車両が斜面 / 上り坂にある
  • 粘性の変化:オートマチック トランスミッション オイルの温度が非常に高い/低い。

電子式トランスミッション エマージェンシー解除はトランスミッションのバリエーションに応じて異なります。次の表にさまざまな世代の電子式トランスミッション エマージェンシー解除の概要を示します。国、市場、モデルに応じて異なることがあります。

1-1.プロセス

第 1.0 世代

ロック解除は、スターターがエンジンを回転させることができる場合にのみ可能です。

  1. ブレーキ ペダルを踏み込み、その状態を保つ。
  2. スタート / ストップ ボタンを押し、プロセス全体が終わるまで押したままにする。
  3. セレクター レバーのボタンを押してセレクター レバーを N の方へ押し、メーター パネルにポジション N が表示されるまで押したままにする。チェック コントロール メッセージが表示される。
  4. 約 6 秒以内にセレクター レバーを再びポジション N の方へ押す。メーター パネルとセレクター レバーにポジション N が表示される。
  5. スタート / ストップ ボタンから手を放す。
  6. スターターが停止したらブレーキをゆるめる。

スタート / ストップ ボタンを再度押すと、パーキング ロックが再び有効になります(チェック コントロール メッセージは表示されません)。

電子式トランスミッション エマージェンシー解除は 15 分間有効です。ホイール回転数信号が検知されると、この時間をさらに 15 分間延長します。この時間の経過後にチェック コントロール メッセージは表示されずにパーキング ロックが掛かります。規定時間はバッテリー残量によって異なります。

第 1.5 世代

  1. スタート / ストップ ボタンを押し、プロセス全体が終わるまで押したままにする。
  2. ブレーキ ペダルを踏み込み、その状態を保つ。
  3. セレクター レバーをポジション N に動かして保持する。チェック コントロール メッセージが表示される。
  4. 約 2 秒以内にセレクター レバーを再びポジション N に動かす。セレクター レバーにポジション N が表示される。
  5. スタート / ストップ ボタンから手を放し、ブレーキを解除する。

第 2.0 世代

ロック解除は、スターターがエンジンを回転させることができる場合にのみ可能です。

  1. ブレーキ ペダルを踏み、手順を行っている間そのまま踏み続ける
  2. スタート/ストップ ボタンを押し、手順を行っている間そのまま押し続ける。スターターが作動する音が聞こえなければなりません。
  3. 電子式セレクター レバーのロック解除ボタンを押す。
  4. ロック解除ボタンを押し続け、セレクター レバーをポジション N に動かし、この位置で約 5 秒間保持する。
  5. トランスミッションのギアが N(ニュートラル)になると、メーター パネルにチェック コントロール メッセージが表示される
  6. スタート / ストップ ボタン、セレクター レバー、ロック解除ボタンから手を放すことができる。
  7. スターターが停止したらブレーキをゆるめる。

第 3.0 世代

  1. イグニッションをオンにするために、ブレーキを踏み込まずにスタート / ストップ ボタンを一度押す。
  2. ブレーキ ペダルを踏み込み、その状態を保つ。
  3. メーター パネルとセレクター レバーにセレクター レバー ポジション N が表示されるまで、セレクター レバーをポジション N で押す。チェック コントロール メッセージが表示される。
  4. ブレーキを解除する。

第 3.1 世代

  1. PAD モードをオンにする (スタート / ストップ ボタンを 0.8 秒以内に 3 回押す)
  2. ブレーキ ペダルを踏み込み、その状態を保つ
  3. セレクター レバーを走行レンジ「N」の方に押して保持する
  4. メーター パネルにセレクター レバー ポジション「N」とチェック コントロール メッセージ「緊急ロック解除」が表示される。
  5. ブレーキを解除する。

GA8P75HZ の特記事項

従来の 8 速オートマチック トランスミッションと同様、GA8P75HZ でも電子式緊急ロック解除を行うことができます。

従来の車両ではスターターが回転し、トルク コンバーターを介して機械式トランスミッション オイル ポンプも駆動します。トランスミッション オイル プレッシャーの上昇により、パーキング ロックが解除可能になります。しかし GA8P75HZ ではトランスミッション オイル プレッシャーなしで分離クラッチが開いています。そのため GA8P75HZ では、パーキング ロックを解除するためのトランスミッション オイル プレッシャーは、回転するスターターによって生成されません。その代わり、補助の電動トランスミッション オイル ポンプによりトランスミッション オイル プレッシャーが上昇可能になっています。この他に、エレクトリカル マシンが機械式トランスミッション オイル ポンプを駆動して、トランスミッション オイル プレッシャーを上昇させることもできます。

 

2. 機械的トランスミッション緊急ロック解除

車内から

古い多くの車両の場合、車内から機械的トランスミッション緊急解除が可能で、顧客が行うこともできます。セレクター レバーの近く、または直接シフト ブラケットにロック解除機構があるので、車載工具を用いてこれを操作します。

セレクター レバーでのプロセス

  1. セレクター レバー下部のスリーブをセンター コンソールから外します。
  2. スリーブを少し浮かせます。必要に応じて、ケーブル コネクターを引き抜きます。
  3. 車載ツール キットのドライバーを使用して、黄色のロック解除レバーを下方に押します。
  4. セレクター レバー表側のボタンを押して、セレクター レバーを少し後ろへ動かします。ロック解除レバーから手を放します。
  5. セレクター レバーをご希望のポジションにします。

車両フロアから

GA6HP および GA8HP オートマチック トランスミッション搭載車の場合、製造年 2010 年末以降、車内からのトランスミッション緊急解除は行えません。その代わり、機械的トランスミッション緊急解除はアンダーフロアから行うようになっており、これは専門のトレーニングを受けたサービス スタッフのみが実施できます。このトランスミッション緊急ロック解除はボルトまたはスペシャル ツール(GA8HPTU 以降)を使って行います。

アンダーフロアから機械式トランスミッション緊急解除の操作を行うことが認められているのは、専門のトレーニングを受けたサービス担当者のみです。比較的古いモデルでは、車内から機械的なトランスミッション緊急ロック解除が可能で、顧客が行うこともできます。

 

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